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モーダルシフトを見据えた試験の考え方

2024.11.25

モーダルシフトを見据えた試験の考え方

こんにちは、振動マイスターです。

さて、前回コラムではモーダルシフトが製品に及ぼす影響について、製品視点で書きました。
では具体的に鉄道や船舶輸送を想定した試験条件をどのように構築すれば良いでしょうか?
今回は試験条件構築方法を提案します。
ただ、輸送は千差万別なので、具体的な試験条件の提案ではなく
輸送環境から試験条件の傾向を考察してみようと思います。
従来試験では考慮されていなかった傾斜負荷を試験条件に加味する
現時点で正解のない問いに挑む気持ちでお付き合いください。

 

モーダルシフトは製品にとって優しいのか?

既報の通り、TOKYO PACK 2024で輸送包装試験機BF-50ITを初披露しました。
特に印象に残った製品ユーザー様のコメントを紹介します。

【モーダルシフトって製品へのストレスは優しくなるのに
試験を厳しくする(振動に傾斜を加える)必要あるの?】


確かにトラック輸送に比べて鉄道や船舶は振動が優しく
製品に対する影響は少ないと考えられております。
ただし、全てのハザードがトラック輸送よりも優しいわけではありません。
振動というハザードで比較した場合、優しいと解釈できるかもしれませんが
複数の複合したハザードで比較した場合
トラックよりも優しいと断言するのはリスキーかもしれません。

これまでトラック輸送で問題なかったものが鉄道輸送や船舶輸送で
損傷が発生しているケースはこうした複合ハザードの影響が考えられます。

 

輸送環境におけるハザードの傾向と条件構築の考え方

前回のコラムでは、モーダルシフトによって製品に加わるハザードが変化すると書きました。
トラック輸送の区間が短くなる代わりに鉄道および船舶輸送の区間が増え
積み替え回数が増加します。

ここでそれぞれの輸送手段について、かなり強引ですが振動/衝撃/傾斜の傾向をまとめます。
なお、ここで述べる衝撃はハンドリング等での落下衝撃ではなく
あくまで輸送中に発生する突発的な衝撃を指します。

・トラック輸送→ 振動:大 / 衝撃:中,少ない / 傾斜:小

・鉄道輸送→ 振動:中 / 衝撃:小,多い / 傾斜:中

・船舶輸送→ 振動:小 / 衝撃:小,少ない / 傾斜:大

『トラック輸送』と一括りにまとめましたが
もちろん車両サイズやサスペンションの種類などで挙動が異なるのは承知の上で
端的に記載しておりますのでご了承ください。
こうした各輸送の傾向と製品の特性(何が弱点となるのか)を照らし合わせて
試験条件を構築する必要があると考えます。

【鉄道輸送にシフトする場合】

従来のトラック輸送を想定した条件よりも
振動は少しマイルドにして、衝撃は小さい衝撃を数多く与える、など。
輸送包装試験機BF-50SSTが該当します。

【船舶輸送にシフトする場合】

従来のトラック輸送を想定した条件よりも
振動をマイルドにして、傾斜負荷を多く加える、など。
輸送包装試験機BF-50ITが該当します。

傾斜負荷+振動の試験効果については昨年の全日本包装技術研究大会等での発表にて
水平状態で行うよりも実輸送に近い損傷結果になることを示しております。
引き続き実輸送時の損傷再現に目を向けながら日々研鑚を重ねていきたいと思います。

それでは、今回のコラムはここまで。
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