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化粧品業界における振動試験機活用事例

2025.08.25

化粧品業界における振動試験機活用事例

こんにちは、振動マイスターです。

さて、前回コラムでアイデックスの輸送包装試験機のルーツに
化粧品メーカー様が大きく関わっていたことを書きました。
今回は化粧品業界でどのような試験が行われているのか書いてみようと思います。

化粧品と一括りにしておりますが、使用部位(顔/髪/体)や製品形態(固体/液体/クリーム/粉末)
もしくは容器や包装形態によって、懸念されるポイントは様々です。
外装および個装箱に関する試験は輸送想定試験として過去にも触れておりますので、
今回は中身に関する試験について触れてみましょう。
<過去のコラムはこちら>

 

中身に関する試験=安定性試験?

中身に関しては製品形態に応じて、特定の症状または特定の環境に対する試験が求められますが
十人十色の試験に展開されることが多いです。
安定性試験では温湿度と時間経過による物性や効能の変化が無いことを確認しますが
独自に振動や衝撃など物理的要因も絡めて検証されるのが主流となっているように感じます。

 

中身に関する試験事例 CASE.1

この季節だとデオドラント系や日焼け止め等のCMを良く見かけます。
液体に粉体が溶け込んでいる商品では、中に球(正式名称は不明です)が入っており
『よく振ってから使用してください』と書かれているものがあります。

以前、【球を無くしたい】との相談を受け、液中の粉体の沈殿を再現させたことがあります。

ポイントは時間短縮と如何に激しく沈殿させるかにありました。
静置させても時間が経てば沈殿するのですが
沈殿物がゆるく球が無くても撹拌できてしまう状態でした。
実際の現場では球が無いと撹拌できないレベルで沈殿が発生しており
その沈殿は実輸送を実施しないと再現しない為、検証に時間が掛かることも
ご担当者様の悩みの種でした。
特にシーズン商品の為、開発スケジュールがシビアな点も
プレッシャーを感じている要因でした。

この時の沈殿は低周波数・低振幅で上下方向よりも水平方向の振動が効いた印象があります。
アイデックスの試験機では上下方向と水平方向を個別に制御することはできませんが
通常の使用方法に若干のアレンジを加えることで、現象再現に成功しました。

かくして具体的な対策については不明ですが、店頭に球が無い商品が並んでいるのを見て
お役に立てたのかもしれない、と誇らしい気持ちになりました。

 

中身に関する試験事例 CASE.2

固体製品について、ファンデーションの割れ、リップの折れの再現を試みた事例もあります。
ハンドバッグ内で携帯電話やモバイルバッテリーとぶつかることが要因とのこと。
まずは製品にどのような振動衝撃が加わっているのかを把握する為、早速社内で実験です。

ハンドバッグ内に加速度ロガーを仕込み、早歩きや階段の昇降、ショルダー掛けや手提げなど
あらゆるバリエーションで振動計測しました。
当時長時間協力いただいた弊社女性社員のうんざりした顔も今となっては良い思い出です。

試験条件を提案したお客様では、試験機にバッグを引っ掛けられるように工夫し
化粧品が消費されるまでに加わる(と想定される)振動を与えて評価しておりました。

これに似たケースでは自転車のカゴに入れたショッピングバッグや
子供のランドセルに加速度ロガーを仕込んで計測したこともありました。
このあたりは具体的な相談があったわけではなく
興味本位で何かに使えるかもと思っての計測でしたが
見事他の企業様への提案に繋がりました。

 

ヒントはいつも現場にある

まずは【製品を知る・現場を知る】から始める
まさに現場主義を貫くアイデックスらしいアプローチ方法ではありませんか?

詳細な試験条件については、運用中のお客様もおられるので詳しく書くことができません。
ただ、その時の製品や容器の共振、内容物の成分や粘度なども複雑に絡んでの結果であり
そのまま全ての商品で効果が得られるわけではありません。

このコラムを読んで、こんなこと/あんなことに使えるかな?と感じたら
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今回のコラムはここまで。
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