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見えない工夫、聞こえる発明

2025.10.24

見えない工夫、聞こえる発明

こんにちは、振動マイスターです。

前回前々回コラムでは化粧品業界と医薬品業界での振動試験機の活用事例を紹介しました。
今回は我々消費者に身近なアイテムとして、PETボトル飲料を取り上げてみます。
中身ではなくボトル&キャップに焦点を当てたお話です。

 

【カチッ】に秘められた技術

ほぼ毎日PETボトルのお茶やコーヒーを楽しんでおります。
先日、飲みかけのPETボトルを開ける時に、ボトルキャップがカチッと鳴ることに気付きました。
音が鳴るのは蓋が開く直前で、音が鳴る前だとかなり緩めた状態でも中身は漏れませんでした。
偶然かと思い、PETボトルを潰して空気を抜いた状態からキャップを開けましたが
【カチッ】をきっかけに空気の流入が始まりました。
つまり、液漏れしなかったのは偶然ではなく必然でした。
この【カチッ】こそ計算しつくされた、漏れ防止の最後の砦のようです。
この画期的な発明がいつから実装されているのか調べてみましたが
該当する資料は見つかりませんでした。

 

知られざるPETボトルキャップの進化

改めてボトルの口径部とキャップの内側を観察しましたが
私の記憶にある形状とは異なっていることを知りました。
ネジ山は成形加工の容易さとトルク管理のしやすい
従来の一条ネジ(ネジ山を1本の螺旋状に成形)を改良した
『分段式ネジ』が採用されておりました。
『分段式ネジ』はネジ山の高さや角度を段階的に変化させたネジ形状です。
口径部とキャップを多点接触させることで、密封性が向上します。
さらに分段式ネジの優れているのは、従来キャップと互換性がある点です。

【開けやすい】【漏れにくい】の両極と思える2つの要望を叶えつつ
【従来キャップにも対応】のマルチタスクをこなす万能ぶりを発揮しておりました。

 

さて、皆様も普段何気なく手にしているPETボトル
中に込められた設計開発者の執念に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

今回はPETボトルのキャップ周辺をテーマに書きましたが
次回コラムではPETボトルを巡るトピックス~正しいことが必ずしも正解ではない~
について書きたいと思います。

今回のコラムはここまで。
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